幸い当社は高台に位置していた為、被災を免れました。震災発生後仮設住宅建設に使う杭の生産を依頼されましたが、もともと杭に使うような小径木は扱っていませんでした。しかし、被災しなかった工場として復興になんとか貢献したいと考え、船を流されてなんでもすると言っていた漁師さんたちに頼んで3万本の杭を生産しました。また、津波によって薙ぎ倒され、あちこちに散乱してしまった高田松原の松マツを亡くなった方々の供養にと数珠とブレスレットに加工しました。 　昭和45年頃、地域の大半の製材工場はスギを扱って、梁丸太になるマツをほとんど扱っていませんでした。当社がマツを扱っていることが全国で知られるようになり、文化財の修復にマツ材を頼まれて以来、文化財用の木材を中心に扱っています。 　当社は、東日本大震災からの復旧・復興における岩手県沿岸部を初めとした木材需要に対応できる様にする事が林業を営む方々や被災された方々への手助けになるのではないかと思い、社員一同力を合わせて頑張っていくことが大切と思います。